「うちの会社、残業代が出ないから最低なんだよね」

もし君や、君の周りの仲間がそんな風に悩んでいるとしたら、まずは「そんな思いをさせて申し訳ない」と、経営者の一人として素直に謝りたい。

今の時代、コンプライアンスだ、ホワイト化だと言われている中で、不満に思うのは当然のことだ。正直に言うよ。俺自身、時代の変化に必死にしがみつきながら「自分の次の人生の道」を模索している真っ最中なんだ。「俺のやってきた経営は、もう今の時代には通用しないのかな」って、夜中に一人で悩むことだって本当によくある。

だからこそ、おっさんの綺麗事だと思わずに、ちょっとだけ別の角度から会社の仕組みを見てみてほしいんだ。

「残業代が出ない」と嘆く環境の裏側を、よく観察してみてほしい。 その会社ってさ、例えばちょっと遅刻しちゃっても大目に見てもらえたり、業務中にガチガチに監視されず、自分のペースでのんびり進められたりしていないかい? そして、何だかんだ言っても毎月の給料はキッチリ口座に振り込まれている。

もしこれが、1分単位で残業代がしっかり出る会社だったらどうなるか。 それは同時に、1分単位で君の行動がすべて管理されるということでもあるんだ。「なぜ5分遅れたのか」「なぜこの業務に1時間かかったのか」と、息が詰まるような「過管理」と引き換えになっているケースがすごく多い。

もちろん、権利を主張するのは決して悪いことじゃない。 だけど、もし会社を評価するときに「足りない部分(ネガティブ)」だけを見て、自分がすでに与えられている「自由さ」や「居心地の良さ」という恩恵を見落としてしまっていたら、それってすごくもったいないことだと思うんだ。

ガチガチに管理されて縛られる代わりに残業代が出る環境と、多少のルーズさはあるけれど自分の裁量でノビノビと動かしてもらえる環境。どちらが君の可能性を伸ばせるかは、人それぞれ違うはずさ。

俺たち昭和の世代は、もうすぐ君たちに次の時代を譲っていく。

だからこそ、ないものねだりで終わるのではなく、今ある「自由」という武器を使い倒して、会社の看板に頼らずに生きていける本物の実力をつけてほしい。君たちがどんな場所でも自分らしく活躍できるよう、おっさんは心から応援しているよ。